■ 毛馬桜之宮公園 藤田邸跡
-大阪市指定名勝「旧藤田邸庭園-(2003)

 

 所在地 : 大阪市都島区網島町

 発注者 : 大阪市

 規模等 : 毛馬桜之宮公園の一部 1.7ha 基本計画〜実施設計 現場管理

  2004年第20回都市公園コンクール「国土交通大臣賞」

田伝三郎男爵の邸宅跡に遺されていた庭園遺溝をおおらかで美しい庭園空間に修復し、毛馬桜之宮公園の一部として再生させた。藤田伝三郎邸跡は、大阪市都島区網島町の一角にあたる。広大な敷地に現在の市長公館や藤田美術館、太閤園にあたる部分等に豪邸を構えていた。その本邸跡に、築山や石積みなどの当時を忍ばせる庭園の一部が残っていた。
 藤田伝三郎は、明治初期より関西実業界の中心人物として活躍し、大阪経済の基礎を築いた人物で、造園趣味家でもあり、武者小路千家の茶道を修め、邸内に茶室や花畑を設けて自ら花を生けるという、当代を代表する文化人でもあったといわれている。その藤田翁の庭園の面影を生かすために、平成十二年より庭園遺溝を核として新たな公園文化を象徴しうる場の創造をめざした。
 大阪の庭師、梅園梅叟(ばいそう)が作庭した庭園は、平坦な地形に起伏に富んだ地形を人工的に作り出し、築山、滝、流れ等で構成されていた。本邸跡は長年放置され植物に覆われていたが、豪快な石組みなどが遺されていた。これらを現在の造園技術によって保存または復元、修復した。
 特に、高い滝石組からの流れや築山中央の流れとその両側の急峻な築山の組み合わせが庭園の見どころだ。周辺部分も藤田翁好みの「すっきりとしゃれた」新庭として新たに整備した。
 歴史的資産を大切に受け継ぎながらも公園としての利用を考慮し、景観と利用の両面について配慮したものである。

左)明治の旧邸跡に相応しい穏やかな時間が流れる。
中)豪快に組み上げられた滝が梅園の作風を伝える。
右)池の広がりと大樹がゆとりの景を生む。隣接す る
  
市長公館・太閤園の庭園等と一体となって緑豊か
   な庭園地域を形成する大阪の新しい名園が誕生した。

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